研究について

研究成果

台風による内湾の高潮のリアルタイム予測に関する基礎的検討

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1085 2004年09月
執筆者 河合弘泰、富田孝史
所属 海洋・水工部 主任研究官
要旨 個々の港湾・海岸に発生する高潮をリアルタイムに予測することは海岸災害の低減に必要である。高潮予測にはまず、既往の台風の記録に基づく簡単な経験式で最大潮位偏差を求める方法がある。その一方で、数値計算モデルを計算する方法もあり、普及型のパソコンで1~2時間以内に計算できるようになりつつある。本研究では、大阪湾など瀬戸内海東部と東京湾の代表的な地点について、両方の方法で高潮を推算し、その結果を観測値と比較した。その結果、台風モデルによる気圧や風を用いた経験式では、高潮偏差の最大値を大きく、その起時を早く評価する場合のあることが分かった。また、正確な計算をするためには、計算格子間隔を大阪湾でおおむね1.8km 以下、東京湾ではおおむね0.6km 以下、瀬戸内海の中央部では0.6km かそれ以下にする必要がある。また、高潮計算の最初の段階では、気圧低下や風のない初期状態から徐々に実際の値に近づけていく操作をするが、この立ち上げの操作は台風がおおむね北緯31deg に達するまでに終える。
全文 /PDF/0ceac4f86a0676adb5d0ef2674abd6b3484a66ef.pdf