研究について

研究成果

石垣空港における窒素酸化物の排出および濃度分布ならびに低減対策に関する調査

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1083 2004年06月
執筆者 小牟禮 建一、浜田秀則
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨  本研究では、最終的には空港から排出される窒素酸化物濃度の低減を目指し、空港内における窒素酸化物濃度の現状を把握する目的で、第三種空港である石垣空港において、滑走路周辺、エプロン周辺、ならびに空港近辺での窒素酸化物濃度の実態調査を行った。さらに、光触媒技術の適用による窒素酸化物濃度低減の可能性を模索するため、光触媒の一種である酸化チタンを用いた実験装置によって、空港周辺での窒素酸化物低減効果確認実験を行った。  一連の調査・検討により、以下の知見を得た。  1)空港内においては、航空機の挙動に関連した高濃度の窒素化物が検出され、空港が大きな窒素酸化物排出源となっていることがほぼ明らかとなった。  2)エプロン、および滑走路の運用時間内において、エプロンでは運用時間中常時、滑走路上では航空機の離陸時に、瞬間的ではあるが非常に高い窒素酸化物濃度となる危険性が示唆された。  3)窒素酸化物低減効果確認実験の結果から、酸化チタン混入塗料の効果が認められた。その低減効果は10%程度である。  4)空港外では、空港の駐車場や船舶港などからも高濃度の窒素酸化物が検出され、低速で常時通過する自動車車輛、ならびに船舶の影響が大きいと推測された。
全文 /PDF/89f9dcdac7ed56d3d69a4880bf144d1ccbed9b86.pdf