研究について

研究成果

臨海部の複層都市空間におけるMARS法を用いた高精度な浸水解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 043-02-01 2004年06月
執筆者 安田誠宏、平石哲也
所属 海洋・水工部 波浪研究室
要旨  功刀(1997)が開発した自由表面を含む多相流の直接解析法(MARS法:Multi-interface Advection and Reconstruction Solver)は、界面勾配を考慮したVOF値の輸送と格子境界でのVOF値の連続性を保持することで、精度よく界面形状を捉えることができる手法である。本研究では、このMARS法を組み込んだ汎用流体解析法を応用し、臨海部の復層都市空間を対象に高精度な浸水解析を行い、その有用性を検討した。  解析地形の作成には,航空測量によって得られた地盤高データベースを利用した。また、構造物情報や地形情報を自動的にVOS(Volume Of Solid)モデルに変換して地形条件を構築する手法を発明し、解析に適用した。  解析の結果、地上と地下の浸水状況を同時に再現できることを確認した。実験結果との比較においても、水位および流速の対応はよく、本解析法の精度を確認できた。また、浸水状況の解析結果をCGによって人の視点で可視化することもでき、危険度の理解を容易とした。さらにデジタル地図データと土地利用状況を用いることにより、現地地形での高精度な浸水解析を可能とした。
全文 /PDF/vol043-no02-01.pdf