研究について

研究成果

相似形入力装置を用いた遠隔操作型バックホウの操作効率

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1065 2003年12月
執筆者 平林丈嗣、山本恭、酒井浩、秋園純一、内海真
所属 施工・制御技術部 制御技術研究室
要旨  バックホウの操作装置は、標準操作方式である搭乗操作とリモコン操作装置があり、実際の施工や遠隔操作の試験施工が行われている。当研究所では、水中バックホウの遠隔操作装置として、相似形入力装置を用いたBilateral制御と触覚情報の視覚化による遠隔操作システムを開発し、施工精度などについて実験を実施している。このうち、操作装置自体の操作効率を明らかにすることは、相似形入力装置の性能の改善だけでなく、全体システムの効率向上において重要であると考えられる。本研究は、相似形入力装置を用いた遠隔操作型バックホウの操作効率を評価することを目的として、標準操作方式の操作装置と操作効率を比較するために、平面実験フィールドと立体実験フィールドでポインティング実験を行い、相似形入力装置の有効性を確認するものである。  このポインティング実験では、操作効率を操作のスピードと正確性で評価した。ポインティング実験の結果から、搭乗操作と比較して視覚情報が劣化するⅣカメラを用いた遠隔操作の場合、平面指示動作実験において、相似形入力装置はリモコン装置よりも、操作のスピードで45%、正確性で40%向上できることを確認した。これは、視覚情報の劣化による操作効率の低下を、入力方式により補うことができたためと考えられる。立体指示動作実験において、操作スピードはⅣカメラを用いたリモコン装置と同程度であり、正確性は搭乗操作と同程度であった。ここで、立体的な認識能力をCGなどで補うことができれば、操作効率が改善されると考えられる。  以上のことから、視覚情報が劣化した環境において、遠隔操作型バックホウの操作効率改善には、相似形人力装置が有効であることを確認できた。
全文 /PDF/no1065.pdf