研究について

研究成果

強潮流海域における水中観測システムの研究(第1報;システムの基本構成と基礎運動シミュレーション)

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 042-03-03 2003年09月
執筆者 酒井浩、田中敏成
所属 施工・制御技術部 制御技術研究室
要旨  港湾における各種調査や工事の施工管理において、視認による海中状況の観測、作業状況の監視や出来形管理は非常に重要な作業であるが、未だに潜水士の目視作業によって行われるのが一般的である。  このような中で、東京湾口航路整備事業において、第三海堕の撤去構造物によって構築された魚礁の効果の確認作業と開発保全航路の維持管理業務のため、海底状況の観察や水中映像の撮影が必要となった。しかしながら、当海域は大水深で強潮流が存在するため、効率的で安全な作業が行える新たな水中観測システムの開発が要請された。  そこで我々は研究の第一段階として、ミッションに適合した観測システムについて検討した。この結果、潮流の大きさに応じて、曳航、白航およびカイトモード(曳航船舶を係留して船上のウインチによる巻き取りのみで曳航体を微速前進させるモード)の三方式で活用できる曳航式の自律航行システムを発案し、あわせて水中観測システムとして備えるべき機能を設定した。  次に、基礎運動に関するシミュレーションによって本システムの安定性について検証した。この結果、必要な付加重量および翼面積が明らかになるとともに、前翼を可動とし、双動によるHeave、Pitch制御ならびに差動によるRoll制御を行う必要があることが明らかとなった。
全文 /PDF/vol042-no03-03.pdf