研究について

研究成果

コーン貫入試験による開端杭の先端閉塞状況の評価手法に関する実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1053 2003年06月
執筆者 水谷崇亮、菊池喜昭、田口博文
所属 地盤・構造部 基礎工研究室
要旨  港湾構造物にはしばしば大口径の鋼管杭が用いられる。鋼管杭は通常先端の開いた開端杭の形状をしているが、開端杭であっても、杭先端部の管内土がプラグとなって杭先端が閉塞し、閉端杭の場合と同様に先端支持力を発揮することが知られている。開端杭の先端支持力を評価するには、このような杭の先端閉塞効果を精度良く推定する必要がある。しかしながら、従来の設計基準では、開端杭の先端閉塞は支持層への根入長によって決まるとするものが多く、その根入れが不十分な場合には一定割合で先端支持力を低減することとされている。実際には、開端杭の先端閉塞状況は地盤条件や杭形状の影響を受けると考えられ、従来法では過大設計となるケースも考えられる。簡単な現地試験により杭の先端閉睾状況を確認できれば、杭の効率的な設計や施工管理に有用であるが、そのような手法は提案されていない。  そこで、現地で比較的簡易に実施できる地盤調査手法としてコーン貫入試験に着目し、開端杭の閉塞状況調査へのコーン貫入試験の適応性を検討した。具体的には、室内模型実験で模型杭の貫入実験と併せてコーン貫入試験を行ない、先端閉塞の有無や各種の条件下において杭周辺地盤及び杭管内土のコーン貫入抵抗がどのように変化するのか調査した。実験の結果、杭管内土や杭周辺地盤のコーン貫入抵抗の変化傾向が杭の閉塞状況により大きく異なることを確認した。このことからコーン貫入試験により開端杭の先端閉塞状況を調査することが可能であると考えられる。
全文 /PDF/no1053.pdf