研究について

研究成果

海域における空気流を用いた底質浄化剤の散布施工方法に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1051 2003年06月
執筆者 野口仁志、野田巌、佐藤栄治、藤田勇
所属 施工・制御技術部 流体技術研究室
要旨  海域における底質の浄化対策の1つとして、バクテリア(細菌)を付着させた浄化剤散布による方法がある。しかし、この方法は、池、養殖場等の狭い範囲に散布された施工実績しか見当たらず、底質浄化剤を広い海域に効率的、経済的に散布する工法については検討がほとんどなされていない。  このような状況から、バクテリアを用いた底質浄化剤を、広い海域の海底に散布することを想定して、効率的、経済的な散布施工法について研究を行った。  実用性、効率性の観点から、船舶から送風機を用いて浄化剤を空気流に載せて海面上に広く散布させ海中を沈降させる方式を選定した。そして、  1.空中における底質浄化剤散布実験  2.浄化剤の水中投下拡散実験  3.空中散布及び水中落下時の浄化剤からのバクテリアの剥離実験  を実施した。  これらの実験結果等より、具体的な散布施工方法として小型船舶に動力散布機を数台搭載した方法を想定し、効率性、経済性、施工精度を試算した。その結果、潜水士が散布する場合と比較して、施工能率で120倍、経済性で約30倍の効果が期待できる試算結果となった。施工精度としての浄化剤散布量のばらつきは、標準偏差で約20%と試算された。  また、浄化剤からのバクテリアの剥離はある程度は認められるものの、浄化剤の効果に影響する程度ではないことが確認された。
全文 /PDF/no1051.pdf