研究について

研究成果

斜め組杭式桟橋の地震時挙動に関する数値解析と耐震性能照査法の提案

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 042-02-05 2003年06月
執筆者 横田弘、浜田純次、大熊弘行、杉澤政敏、芥川博昭、津國正一、佐藤博
所属 地盤・構造部 構造強度研究室
要旨  斜め組杭式桟橋においては、部材の応力や支持力に対する限界値を満足するように設計が行われている。耐震性能上は杭の引抜き限界値が支配的となることが多く、従来はこの引抜きが生じないことが照査されている。しかし、杭の引抜きが生じたとしても、押込み側の杭の支持力が存在すること、あるいは引抜きが生じた後の杭の抵抗機構が軸力から曲げに変化することが想定され、この状態が直ちに構造体の終局限界にならない可能性がある。このようなことから、斜め組杭式桟橋の地震時動的挙動を把握し、直杭式桟橋と同様の保有耐力照査手法が適用できるかどうかを検討する必要がある。  そこで、本研究では、数値解析により斜め組杭式桟橋の地震時動的挙動を把握することを試みる。用いる解析手法は二次元解析で、桟橋の法線直角方向の杭1列分を抽出したものである。このモデルを用いて、非線形動的応答解析を実施するとともに、より簡便な解析手法として、多質点系モデルによる非線形動的応答解析を行い、結果を比較した。また、設計計算時に行われる簡便な耐震性能照査の検討を目的として、プッシュオーバー解析による弾塑性解析および1質点系動的非線形解析を行った。これらのことより、斜め組杭式桟橋の基本的な地震時動的挙動を把握するとともに、弾塑性解析の地震時保有耐力照査への適用性について考察を行った。
全文 /PDF/vol042-no02-05.pdf