研究について

研究成果

粘土地盤中の根入れ基礎の鉛直支持力に関する遠心載荷模型実験と解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 042-02-04 2003年06月
執筆者 中村健、北詰昌樹
所属 地盤・構造部 地盤改良研究室
要旨  深層混合処理工法の現行の設計では、改良地盤を一種の構造物と見なして周囲に対して滑働、転倒と支持力の検討を行っているが、原地盤の土に比べて強度および変形係数が著しく大きい改良土は根入れのある浅い基礎と同等に考えることもでき、安定の検討も偏心傾斜荷重下の浅い基礎の支持力と捉えられると考えられる。  上記の観点から、沿岸域の軟弱粘土層で一般的な深度方向に強度が増加する地盤について、鉛直支持力を実験と特性曲線法による数値解析より検討した。  遠心模型実験は基礎幅、根入れ深さを種々に変化させた条件で行った。実験の結果、極限支持力は根入れ基礎幅比とともに直線的に増加すること、極限支持力発現後の鉛直荷重と基礎底面の深さとの関係は載荷前の根入れ深さと関係なく1本の線上にのることが確認された。  一方、数値解析で得た基礎底面での支持力係数は基礎幅B、地盤のせん断強度C<SUB>Df</SUB>とその深度方向増加率kによる指標kB/C<SUB>Df</SUB>が大きいほど大きく、根入れの影響は根入れ分の自重応力に相当することが分かった。  支持力の計算値と実験値は近い値を示し、基礎底面での反力分布も実験と計算がほぼ-致することが確認された。
全文 /PDF/vol042-no02-04.pdf