研究について

研究成果

サクション基礎構造物の安定性に関する模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 042-01-04 2003年03月
執筆者 山﨑浩之、森川嘉之、小池二三勝、出野雅和、矢沢岳
所属 地盤・構造部 土質研究室
要旨  サクション基礎の安定性に関して、静的水平載荷試験と振動台試験の2つの模型試験を行った。模型試験結果を解析し、外力作用時のサクション基礎の変形特性、根入れ効果などを調べた。また、提案されている設計法の確認も行った。得られた主要な結論は以下のとおりである。 (1)サクション基礎の根入比が大きくなる方が基礎の安定性は良くなる。 (2)構造物天端での変位モードは水平変位が鉛直変位よりも卓越するが、根入比が大きくなると水平変位の卓越度合いは低下する。 (3)サクション基礎の壁厚(壁厚比)はあまり変形量に影響しなかった。 (4)サクション基礎底面は開口しているが、基礎内土は外力に対する抵抗に寄与する。 (5)作用震度(加速度)が同じでも地震波形により構造物-基礎の変位量は異なる。 (6)提案設計法から得られる設計震度および設計荷重を用いて模型試験の作用震度および水平荷重を除することにより、作用震度と変位および水平荷重と変位の関係をそれぞれよりユニークな関係にすることができた。 (7)提案設計法ではサクション基礎底面が開口しているが、基礎内土の重量が有効重量として機能し、かつ、底面部を基礎底面の閉じた場合と同様に扱っている。安定計算においてはこのような考え方に大きな問題がないことが確認された。  以上のように、サクション基礎の根入れ効果が期待でき、提案設計法は妥当なものであることが確認された。
全文 /PDF/vol042-no01-04.pdf