研究について

研究成果

風力エネルギー活用の観点から見た沿岸域洋上風の特性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1034 2002年12月
執筆者 永井紀彦
所属 海洋・水工部 海象情報研究室
要旨 沿岸域での風力発電立地を検討するための基礎資料とすることを目的として、全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)によって収集された風況観測データをとりまめ、風力エネルギー密度、発電電力量を試算した。この結果、洋上における観測点と陸上における観測点における顕著な風力ポテンシャルの相違が判明した。  洋上風と陸上風の相違を関西空港おける観測結果を用いて詳細に検討した結果、洋上風は陸上風に比べて平均風速が大きいことが示されるとともに、時間的および空間的変動が小さいことが、風の主軸方向の標準偏差および主軸直角方向の標準偏差を平均風速で除した変動係数の値として定量的に示された。  ナウファスによって収集された全国沿岸における風観測データを、こうした変動係数という観点から整理すると、陸上観測地点および洋上観測地点の変動係数は、それぞれ関西空港におけるC局(10m)およびMT局における観測結果と似た値となり、洋上風と陸上風の明確な区分がなされた。  すなわち、洋上風は陸上風に比べて風力発電に適した時間的空間的な変動の少ない安定した特性を有していることが、観測データに基づいて定量的に明らかに示された。
全文 /PDF/no1034.pdf