研究について

研究成果

大変形追従型沈埋トンネル用新継手構造の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1031 2002年09月
執筆者 横田弘、岩波光保、北山斉、嶋倉康夫
所属 地盤・構造部 構造強度研究室
要旨 沈埋トンネルの函体に発生する断面力を低減するために、可撓性継手が用いられることがある。本稿では、従来型の可撓性継手よりも大変形に追従可能な新形式継手(クラウンシール式継手構造)の開発経緯、ならびに沈埋トンネル用継手としての適用性を検証するために行った模型実験およげ数値解析の結果を示す。クラウンシール式継手構造は、主に繊維強化されたゴムで構成されており、沈埋函に発生する継手変位に柔軟に村応できることが特徴である。  本継手構造の二次元および三次元模型を製作し、水圧作用下において、継手変位を受けた場合のゴムの変形挙動および止水性能を調べた。その結果、300kPaの水圧作用下において、トンネル軸方向に300mm、せん断方向に150mmの継手変位が生じても、ゴムに異常な変形やねじれは発生していなかった。また、止水性能についても十分に確保されていることがわかった。  さらに、継手変位を受ける本継手構造の変形挙動を三次元的に追跡できる非線形有限要素解析手法を確立した。これにより、ゴム内部で発生している局所ひずみを算定することが可能となり、破断ひずみや許容ひずみと比較することで、継手構造の安全性を評価できた。  以上より、従来型の可撓性継手よりも大変形に追従可能なクラウンシール式継手構造を沈埋トンネル用継手として用いても特段の支障がなく、適用性は十分であることが確認できた。
全文 /PDF/no1031.pdf