研究について

研究成果

SCP改良地盤の動的応答特性に関する遠心模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1029 2002年09月
執筆者 北詰昌樹、菅野高弘、河又洋介、西田直人、石丸一宏、中山義紀
所属 地盤・構造部 地盤改良研究室
要旨 サンドコンパクションパイル(SCP〉工法は、軟弱地盤の支持力増加・沈下抑制等を目的とした地盤改良工法であり、地盤の静的な安定機構に関する研究が精力的に実施されてきた。一方、地震時のSCP改良地盤の動的な特性に関しては、余り明らかにされていないのが現状である。そのため、港湾構造物の現行設計法である震度法において、SCP改良地盤は改良前の軟弱地盤と同等の評価をされている。しかしながら、近年の震災報告にてSCP改良地盤上の構造物は比較的被災程度が抑えられていたとされており、より経済的な評価の確立が望まれている。本研究では、遠心模型実験装置を用いてSCP改良地盤の動的応答特性を把握し、より合理的な設計を可能にすることを目的として、実験・評価を行った。  実験は、改良率が異なるSCP改良地盤を50Gの遠心加速度場にて加振し、改良率が動的特性に及ぼす影響を調査した。また、軟弱な粘性土地盤と良質な砂質土地盤を対象とした実験を実施し、SCP改良地盤と比較・検討を行った。それぞれの地盤の動的特性は、計測された加速度波形から伝達関数及び相対変位を算出することにより評価した。  その結果、SCP改良地盤の動的応答特性は、改良前の軟弱な粘性土地盤と良質な砂質土地盤の中間的な性質を示し、改良率が高いほど良質な砂質土の性質に近づいていくことが明らかとなった。
全文 /PDF/no1029.pdf