研究について

研究成果

海生生物付着による海洋構造物の耐久性向上に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 041-03-03 2002年09月
執筆者 渡邉弘子、岩波光保、浜田秀則、横田弘
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨  四方を海洋に囲まれた我が国では海洋環境下に位置する構造物が多いが、海洋構造物は塩分環境下に曝されており、特に、鉄筋コンクリート構造物としては非常に厳しい環境下にある。そのため、海洋コンクリート構造物の耐久性向上については、これまで種々の研究が行われてきた。一方、海洋環境にある干満帯及び海中部においては構造物表面に海生生物が付着し、このような箇所ではコンクリートの耐久性が相対的に向上することが経験的に知られてきた。しかし、海生生物は別名汚損生物と呼ばれ、海生生物の付着は一般的に忌避すべきこととして扱われてきた。それは、一部鋼構造物の腐食促進や海水利用放取水路の流量低下等、生物付着により構造物の機能低下が誘引されるためである。  しかし、現在では地球規模での環境保全が重要かつ緊急課題であり、海洋環境下においても生物の棲息する豊かな自然環境の保護に努める必要が生じている。  そこで本研究では、海洋コンクリート構造物の耐久性を向上させる表面被覆材料として海生生物に着目し、生物付着が耐久性向上に及ぽす効果を定量的に把握するとともに海生生物の有効利用について検討することを目的とした。本報告に述べる研究内容は以下のとおりである。
全文 /PDF/vol041-no03-03.pdf