研究について

研究成果

緩く堆積した地盤の波浪による液状化について

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 041-03-01 2002年09月
執筆者 鈴木高二朗、高橋重雄
所属 海洋・水工部 主任研究官
要旨  人工的に浚渫土砂で築造された海底地盤では、砂が緩く堆積しており、築造後、来襲した波浪によって液状化する可能性が高い。本研究ではまず、緩く堆積した地盤の波浪による液状化について、その基礎的な性質を水理模型実験で調べた。その結果、緩く堆積した地盤に波浪が作用すると、地盤は地震時に見られるような間隙水圧の上昇(残留過剰間隙水圧の上昇)を伴って液状化することや、その後波が引き続き作用すると、地盤が徐々に締め固まっていく現象が確認された。さらに、釧路港で現在、築造されている防波堤背後の人工浅場について、その越波による液状化現象について、水理模型実験による再現とその対策に関する検討を行った。  このような液状化現象の再現と、液状化が発生しないために必要な地盤強度を求めるため、波と地盤を同時に解析できる線形FEM解析を行った。ここでは、剪断弾性係数のひずみ依存曲線を組み込んだ新たな計算手法を提案し、進行波による液状化発生限界の推定を可能とした。さらに、複雑な越波水塊の打ち込みによる液状化を再現するため、VOF-FEMによる液状化の再現計算も行った。
全文 /PDF/vol041-no03-01.pdf