研究について

研究成果

ケーソン式岸壁に設けた弱層の免震効果

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1021 2002年06月
執筆者 森川嘉之、山﨑浩之、三藤正明、亀山和弘、小池二三勝
所属 地盤・構造部 主任研究官
要旨  本資料では弱層の免震効果について報告する。弱層とは、周辺地盤に比べて剛性の低い材料を地盤内に層状に設置したもので、地震時の水平加速度の低減及び長周期化を狙ったものである。この技術は建物などに用いられている免震技術を応用したもので、弱層によりマウンドおよびケーソンに作用する地震カを低減させ、ケーソンの残留変位を抑制するものである。  本研究では大型水中振動台を用いた模型実験を行い以下のような結論を得た。 1)基礎捨石天端の最小応答加速度が350Galを超えると、基礎捨石天端~ケーソン底面間の応答加速度の減衰量が増加した。これは、ケーソンが滑動したためと考えられる。 2〉基礎捨石直下に弱層を設けるミことによって、800Galまでの入力加速度を弱層で350Gal程度に低減させることができた。これにより、ケーソンに作用する慣性力の低減を図ることができる。また、基礎捨石天端~ケーソン底面間の応答加速度の減衰量も小さく、ケーソンの滑動を防ぐことができたと考えられる。 3)ケーソン背面と基礎捨石直下の両方に弱層を設けた場合では、500~800Galの加振レベルに対して、50%以上の残留変位低減効果が発揮された。
全文 /PDF/no1021.pdf