研究について

研究成果

港湾構造物の耐震性能照査型設計体系について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1018 2002年06月
執筆者 井合進、菅野高弘、野津厚、一井康二、佐藤 陽子、小濱英司、深澤清尊
所属 特別研究官 防災担当
要旨  本資料では、1995年の阪神・淡路大震災を契機として進められてきた種々の耐震研究の成果を一連の耐震性能照査型設計法として体系的に整理集約するために基本となる設計体系を、試案の形でとりまとめたものである。既往の耐震設計では、設計地震力に対して安定を保つために必要な抵抗力を構造物側で与えようとするものであるが、この方法では力の極限釣合い状態を超える外力が作用した場合の構造物の挙動は不明である。仮に、既往の設計法に基づいて、阪神・淡路大震災における地震動のようにまれに発生する著しく強い地震動レベルに対して設計しようとすれば、建設・補修費用は法外なものとなる可能性がある。逆に、中程度の地震動レベルに対して既往の設計法を用いて設計した場合には、仮に阪神・淡路大震災における地震動のような激しい地震動が作用した場合の構造物の挙動を把握することは困難である。本研究では、主要な設計パラメタとして、地盤変形とこれに伴う構造物の残留変形や終局応力ひずみ状態を導入し、これらの設計パラメタを用いて、地震動レベルに応じて許容被害程度を適切に設定することにより、構造物に必要とされる耐震性能を考慮した合理的な設計体系を示した。
全文 /PDF/no1018.pdf