研究について
研究成果
高潮推算に用いる台風の気圧と風の場に関する検討
発行年月 | 港湾空港技術研究所 報告 041-02-02 2002年06月 |
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執筆者 | Albena Viltcheva、河合弘泰 |
所属 | 海洋・水工部 高潮津波研究室 |
要旨 | 浅海域において高潮を推算するモデルではその入力条件として現実に近い台風の気圧を与える必要がある。本研究では、上陸した台風の気圧分布のひずみやそれによる風の場を考慮することで高潮の推算方法の改良を試みた。 実際に来襲した台風として、九州地方を襲った台風9918号、9119号、9117号、9307号の4台風をとりあげ、観測データに基づいてこれらの台風の気圧分布や風の場を調べた。Myersによる同心円状の気圧分布は台風の気圧分布を表現するのによく使われているが、この妥当性について確認した。そして、実際に来襲した台風の気圧分布のひずみを表すためのバラメタ化を試み、Myersの気圧分布を修正した気圧分布を表す式を提案した。さらに、この修正した分布による気圧と観測された気圧とを比較した。 次に台風の気圧分布のひずみが風の場に及ぽす影響を調ペた。Myersの式で気圧分布を与えると風は過小評価されるが、Myersの気圧分布を修正した気圧分布を用い、さらに超傾度風を考慮することによって、観測風により近い風が得られた。 Myersの気圧分布を修正し、その気圧分布によって風を修正したとき、高潮がどのように変化するかも調べるため、周防灘で観測された高潮と推算した高潮を比較した。沿岸部の高潮を正確に推算するためには、台風が陸地に接近したり上陸したりすることによって台風の構造が変化することを考慮する必要がある。 |
全文 |
/PDF/vol041-no02-02.pdf
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