研究について

研究成果

複素主成分分析を用いた仙台湾蒲生干潟前面海浜地形の中期変動特性の解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 041-02-01 2002年06月
執筆者 内山雄介、栗山善昭
所属 海洋・水工部 主任研究官
要旨 仙台湾北部の蒲生干潟前面海浜における中期地形変動特性を主成分解析および複素主成分解析によって検討した。解析に先立ち、主成分解析を海浜地形データに適用した場合の出力特性等に関する基礎的な評価を行い、複素主成分解析は通常の主成分解析に比べて、土砂移動に代表される地形変動の進行波的な挙動の解析に対して康位である反面、一様な変動に対しては時間に関する固有関数の分布形状が若干歪むことなどを指摘した。さらに、河川からの土砂供給、港湾構造物による沿岸凛砂の不均衡、沖合海域との土砂交換など、複数の因子が絡み合った仙台港南部の蒲生干潟前面海浜地形の中期変動特性を把握するペく、約12年間の深浅測量データに対して主成分解析および複素主成分解析を適用し、様々な要因による地形変動パターンを分離することを試みた。その結果、蒲生干潟前面海浜における土砂の移動経路や変動周期等の緒特性を抽出することに成功するとともに、外力データとの対応を検討することによって、地形変動特性とそのメカニズムについて考察した。対象海域全体の地形変化に対しては、河口テラスの発達・衰退が最も寄与しており、次いで河川から沖合海域へ流出する土砂の系内への再流入、岸沖漂砂による土砂移動が関与していることを明らかにした。
全文 /PDF/vol041-no02-01.pdf