研究について

研究成果

溶液型薬液注入工法の液状化対策への適用

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 041-02-05 2002年06月
執筆者 山﨑浩之、善功企、河村健輔
所属 地盤・構造部 動土質研究室
要旨  本報告では、液状化対策として溶液型薬液注入工法が適用された現地での事例、およびそれに関連して行われた室内試験データをとりまとめている。  得られた主要な結論は以下のとおりである。 (1)微少ひずみレベルでのせん断弾性係数は無改良土のものとほぼ同じである。 (2)大ひずみレベルでの変形係数は改良後の一軸圧縮強さとともに大きくなり、E50=40~100×quの関係が得られた。 (3)透水係数が無改良土より2~3オーダー低下するが、体積圧縮係数は変化しない。そのため、圧密係数が低下する。 (4)液状化対策のための改良強度として一軸圧縮強さでqu=80~100kN/m2が目安になるが、強度の設定は繰返し三軸法などの手法を用いるべきである。 (5)注入孔より離れるにしたがい改良強度は低下するが、改良体のラップ部では非ラップ部よりも大きな改良強度が得られる。 (6)薬液の希釈などが原因となり、現地盤での改良強度は室内での改良強度よりも小さくなり、その比で定義される強度発現率は概ねk=0.6であった。 (7)注入による周辺地下水pHに与える影響はほとんど観察されなかった。 (8)既設護岸・岸壁の吸出し対策としての溶液型薬液注入工法の適用法が示された。
全文 /PDF/vol041-no02-05.pdf