研究について

研究成果

水深10mの海域における軽量混合処理土の打設実験と考察

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1007 2001年09月
執筆者 土田孝、佐藤孝夫、洪振舜、箕作幸治、酒井浩二
所属 地盤・構造部 土質研究室
要旨 軽量混合処理土工法のこれまでの施工例は、気中もしくは水深3m程度で海域におけるものであった。軽量混合処理土の水深10mの海域での適用性を実証するため、施工途中であったケーソンを利用した実施工規模の水中打設実験を行い、以下のことがわかった。 1)気泡混合処理土の密度は、混練、圧送、固化の過程で変化する。その原因は消泡および圧送中、海水中の圧力による縮泡である。所定の密度の軽量土地盤を造成するためには、消泡や海水中の水圧による縮泡の分の気泡量を、当初配合において増量しておく必要がある。 2)気泡混合処理土の気泡量が大きすぎると密度が海水の密度よりも小さくなり、浮上して大きな濁りが発生する。圧送中に圧送圧によって一時的に気泡混合土の密度が増加することを利用すれば、混練時に海水の密度より小さい密度の気泡混合処理土を水深10mに打設し、密度1。2g/cm3の軽量混合処理土を造成できる。 3)発泡ビーズ混合処理土も気泡混合処理土ほど大きくはないが施工中に密度の変化がある。これは発泡ビーズの圧力による縮小と分離によるものである。また、約2~3%のビーズが分離して浮上する。施工上はこれらを確実に回収する必要がある。 4)打設後1年経過後にコアを採取して調べた結果、軽量混合処理土地盤の密度の変化は認められなかった。
全文 /PDF/no1007.pdf