研究について

研究成果

内湾域における泥質物の堆積と波浪による底面せん断応力との関係

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 040-03-01 2001年09月
執筆者 中川康之
所属 海洋・水工部 主任研究官
要旨 内湾域における泥質物堆積に及ぽす作用外力の影響について解明するため、米国東海岸に位置するBaltimore湾内の堆積物分布の現地データを利用し、堆積物分布と波浪外力との関係について調べた。波浪場を波浪推算法の一種であるHISWAを用いて計算し、波浪による底面せん断応力の分布を求めた。比較の際には現地データに基づく風向や風速の頻度分布を考慮して、平均化された底面せん断応力と底質中の含泥率との関係について調べた。その結果、含泥率が低くなるほど底面せん断応力平均値は大きくなり、両者の間にはおおむね負の相関が見られることがわかった。さらに、懸濁物質の堆積条件を数値化するため、底面せん断応力を変数とした堆積確率を考慮した”堆積確率指標”を新たに導入したところ、異なる含泥率の領域が堆積確率指標により明瞭に区分され、同指標が泥の堆積環境の違いを適切に表現することが示された。
全文 /PDF/vol040-no03-01.pdf