研究について

研究成果

付加構造物による大型浮体の弾性応答低減

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 040-02-03 2001年06月
執筆者 飯島一博、白石悟、珠久正憲、井上俊司、田中一郎
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨  浮体が大型化するにつれて剛体的な浮体動揺は小さくなっていく一方で、弾性応答が卓越する。その結果、曲げモーメントなどの断面力が過大になり、構造安全性上の制約から設計時の限界波高が数メートル程度以下になる可能性がある。そこで、特に曲げモーメントが大きくなる10秒前後の比較的長周期の波浪中の応答を低減する必要があると考えられる。本研究では、浮体前端に各種付加構造を取り付けることで、大型浮体の弾性応答を低減させることを試みた。  まず、水理模型実験を行い、これら付加構造による弾性応答の低減効果を確認し、また、数値計算手法の精度確認を行った。次に、数値計算手法によって、L字型構造を付加した場合の弾性応答低減のメカニズムについて考察を行った。その結果、L字型付加構造物による弾性応答低減は主として、付加構造物付近での波強制力の打ち消し合いにより生じること、L字型付加構造物の没水水平部長さの6~7倍の長さの波長の波に対して、応答低減効果が大きい特性を持つことなどが明らかとなった。さらに、長周期側で効果のあるL字型の付加構造物と短周期側で効果のある鉛直壁型の付加構造物との複合的利用についても検討を行った。
全文 /PDF/vol040-no02-03.pdf