研究について

研究成果

ブシネスクモデルにおける透水層を用いた任意反射境界処理法の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 040-01-01 2001年03月
執筆者 平山克也、平石哲也
所属 水工部 波浪研究室
要旨  浅海域における波浪変形を高精度に算定できるブシネスクモデルにおいて、消波ブロックなどの消波材による波浪減衰機構を透水層によりモデル化し、波の部分反射を直接的に計算する任意反射境界処理法を開発した。  本研究では、透水層内の波浪抵抗を考慮した流量フラックス表示の修正ブシネスク方程式を新たに導出した。透水層の空隙率を100%とすると、この式はMadsen and Sorensen(1992)が導いた修正ブシネスク方程式と完全に一致する。さらに、透水層内の層流抵抗から、開境界に用いられるスポンジ層によるエネルギー減衰項が得られることを示し、同時に、深海波の条件では粘性によるエネルギー減衰が重要であることを明らかにした。  消波防波堤による波の反射実験を対象として、消波材の形状やその設置幅、空隙率などの物理量から客観的に定量化された透水層モデルを用いて数値計算を行ったところ、本計算モデルは、波高や周期、水深の違いに応じて変化する反射率を1~2割程度の誤差範囲で再現した。また、弱非線形の波における部分重複波の位相を良好に再現し、消波構造物前面の入・反射波合成波の波形を正確に再現することを示した。
全文 /PDF/vol040-no01-01.pdf