研究について

研究成果

地盤環境モニタリングコーンの開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0975 2000年12月
執筆者 織田幸伸、渡部要一、土田孝
所属 土質部 土性研究室
要旨  環境問題に対する社会的関心の高まりとともに、廃棄物処分場の周辺や工場敷地等の地盤環境の保全・浄化技術に対する要請が強くなっている。この様な技術を活用するには、まず現状地盤の環境情報を正しく取得する必要がある。地盤環境を計測する技術は、ボーリングにより土を採取して分析する方法、あるいは井戸等により土中水を採取して分析する方法が主なものである。しかしながら、これらの方法は全てボーリング作業を伴うため、計測には多くの時間と費用を要する。地盤内に汚染物質等が拡散している可能性がある場合、空間的な汚染物質の広がりを調査するためには、多くの計測点を必要とするため、これらの方法は実現的でない。  そこで本研究では、地盤環境を簡易に計測する装置として、地盤環境モニタリングコーンを開発した。本装置は、先端に三成分コーンを配し、電気伝導度およびpHの各センサーと、採水装置を組み合わせたコーンである。比抵抗は、貫入中の全ての深度で連続的に計測される。pHは、任意の深度で貫入を停止し、土中水をコーン内部に採水して計測する。また同じ採水機構により、地上まで土中水を吸い上げることが可能である。効率的に土中水を採水するには、事前調査により採水が可能な砂分の多い層を把握する必要があるが、本装置では、先端に設置した三成分コーンにより、砂分の多い層を確認しながら採水が可能なため、効率良く土中水を採水することが可能である。
全文 /PDF/no0975.pdf