研究について

研究成果

波浪推算法による台風9918号の異常波浪の再現計算

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0970 2000年12月
執筆者 橋本典明、真期俊行、吉松みゆき
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨  平成11年9月24日早朝、九州に上陸した台風9918号によって、九州・山口地方では多数の死傷者を出すなどの甚大な被害を被った。台風の中心付近が通過した苅田沖では波浪観測が実施されているが、台風9918号によってこれまでに観測された既往最大有義波高の記録が更新された。  本研究では、波浪推算法を用いて、台風9918号による異常波浪の再現計算を行った。再現計算に際しては、最初に台風モデル(Myersの方法)を用いて風場の推算を行い、特に、内湾海上風を対象とした風観測値の再現性を検討した。その結果、内湾海上風については陸上地形の影響を考慮した集性を行い、その妥当性を確認した。その後で、この風推算値に基づいて第3世代波浪推算モデル(WAM)を用いて波浪場の再現計算を行い、台風9918号による沿岸波浪の出現特性を検討した。また、我が国で長年用いられてきた実績のある第1世代波浪推算モデル(MRI)を用いて同様の再現計算を行い、両モデルによる波浪場の再現性の比較を行った。推算結果の評価に際しては、有義波高などの有義波諸元および方向スペクトル観測値との比較を行うことにより、これら既往の波浪推算法の推算精度や適用性および問題点等について検討した。
全文 /PDF/no0970.pdf