研究について

研究成果

ブシネスクモデルを用いた港内長周期波の計算

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 039-04-02 2000年12月
執筆者 Md. Hasanat Zaman,平山克也、平石哲也
所属 水工部 波浪研究室
要旨 本研究で対象とした港湾は沖縄県の仲田港である。本港湾では、1999年10月から同年12月の期間に港口部および港内で観測された現地データの解析結果より、港内に周期30秒から300秒程度の長周期波が存在することが認められた。また本港湾は、港内に発達した珊瑚礁を有するため、浚渫により水深5mの航路が確保される一方、その他の水域では、ところによっては水深が1m程度となる個所があるなど、非常に水深変化に富んだ地形的特質を有している。そこで本研究では、長波の伝播に対して高い計算精度が期待され、かつ波の回折や反射のみならず屈折や浅水変形が考慮されるMadsen and Sorensen(1992)によるブシネスクモデルを用いて、実際に現地で観測されたいくつかの長周期波を対象とした波浪変形計算を行い、3地点で観測された現地データとの比較より、その計算精度を検証した。港口部で観測された時間波形のうち、周期30秒以上の時間波形を抽出してモデルに入射させたところ、計算モデルによって港内で得られる時間波形は、現地観測により得られた各地点の時間波形をよく再現していることが確認された。
全文 /PDF/vol039-no04-02.pdf