研究について

研究成果

木質構造の現状と桟橋の試設計

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0949 1999年12月
執筆者 山田昌郎、横田弘
所属 構造部 主任研究官
要旨  本研究ではまず木質構造の資源、強度、耐久性の現状について整理した。次に木質構造を用いた桟橋の試設計を行った。桟橋の設計条件のうち、(1)設計水深を5~10m、(2)設計震度を0.02~0.27、(3)上載荷重を5~20kN/m2の範囲で変化させた。桟橋の構造形式は直杭式横桟橋とし、鋼管杭と鉄筋コンクリート(RC)上部工の組合せを基本に、上部工に木質構造を用いたケース、さらに木質杭(構造用集成材または丸太)を用いたケースを想定した。試設計の結果は以下のようにまとめられる。 (1)RC上部工の代わりに木質上部工を用いて試設計した結果、木質の方がRCよりも大幅に上部工自重を軽減できた。地震力が設計水平外力となる条件では、木質上部工の軽量性の効果が発揮され、鋼管杭の質量を約50%まで節減できた。 (2)鋼管杭の代わりに木質杭を用いて試設計した結果、木質杭体積(m3)/鋼管杭質量(t)は、最小約1.6であった。仮に日本の木材/鋼材価格比が諸外国並みであれば、木質杭の採用が経済的となる可能性もある。 (3)鋼管杭の上部工をRCから木質に代えると、水平変位が約60%大きくなる場合があった。
全文 /PDF/no0949.pdf