研究について

研究成果

島状ヘッドランドによる人工海浜の安定化に関する模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0948 1999年12月
執筆者 平山克也、丸山晴広、平石哲也
所属 水工部 波浪研究室
要旨 本実験では、平良港トゥリバー地区に計画されている人工海浜を対象として、移動床平面模型実験により人工海浜の安定性を検討した。本資料では、複雑な波・流れ場を形成する珊瑚礁海域において、現地観測データが得られない人工海浜に対する移動床模型実験の手法を示すことと、島状ヘッドランドを面的に配置する海浜安定化工法の効果を検証することを目的とする。島状ヘッドランドによって構成される人工海浜の海浜形成過程においては、波の屈折や回折、砕波など、複雑なリーフ地形による波浪の変形過程が重要となるので、歪み模型を用いることはできない。また移動床実験においては、砂移動に関してフルードの相似則が適用できないので、実験波は、現地の漂砂移動を再現するように試行錯誤により決定される。しかしながら当該人工海浜では、本実験で再現目標とする現地観測データが得られないため、人工海浜周辺の流れ場、地形・汀線変化に関する数値計算結果を再現事象として設定した。4基のヘッドランドからなる島状ヘッドランド案について海浜安定実験を実施した結果、基本計画案でみられたような海浜北側の大規模な侵食や汀線後退を生じず、150m突堤を配置した案と同程度の海浜安定化効果を期待できることが判明した。
全文 /PDF/no0948.pdf