研究について

研究成果

干潟環境調査-環境条件と生物分布-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0947 1999年09月
執筆者 古川恵太、桑江朝比呂、細川恭史
所属 海洋環境部 主任研究官
要旨 周囲を埋立地で囲まれた内湾域の浅瀬・干潟域において、物理環境、生物分布を現地観測を実施した。その目的は、(1)干潟の環境に関する基礎的な知見を集積すること (2)そうした干潟の環境と生息生物の相互関係を理解すること (3)その生物分布を予測する手法の可能性を探ることであった。その結果、環境勾配の激しい浅瀬・干潟域を、物理環境から分類すると、波・流れの特性の違いにより分類することができ、その物理環境の勾配に対応した底質環境の勾配が観測された。また、その分布は、場所的に変化しているだけでなく、季節的・時間的にも変化することが示された。さらに、底質近傍での生物活動の指標となる酸素消費量の大半は、底生生物による消費であるが、局所的にはバクテリアによる酸素消費が卓越する場合もあることが計測された。底生生物は、分布を元にした複数種からなるグループ分けが可能であり、グループ分けすることによって、単独種のみで検討するより明確に環境との対比が可能となった。これらの知見をまとめ、生物分布の制限・更新を考慮した生物分布予測のためのモデル開発の方向性を示した。
全文 /PDF/no0947.pdf