研究について

研究成果

均し精度がケーソン底版断面力に及ぼす影響

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0945 1999年09月
執筆者 宮田正史、菅野高弘、長尾毅、篠原勝次、近藤隆道
所属 構造部 構造振動研究室
要旨  防波堤や岸壁などの基礎捨石マウンドの表面は、ケーソン底板に過大な集中荷重が作用しないように、従来から潜水士による入念な本均し作業が実施されている。本均し作業における標高の許容範囲は経験的に±5cmと定められているが、基礎マウンドの施工効率を向上させること等を目的とし、現在運輸省では均し精度の許容範囲を緩和する方向で検討を進めている。しかし、均し精度を緩和した場合、ケーソン底版に過大な集中荷重が作用し、底版に発生する断面力が増加する懸念がある。  本研究では、実際に港湾工事で使用される捨石を用いたマウンドの鉛直載荷実験の結果から、均し精度の緩和がケーソン底版と捨石との接触点数及び接触分布に及ぼす影響を明らかにした。実験で得られた接触点数および接点分布を基に、均し精度がケーソン底版に発生する曲げモーメントに及ぼす影響を、底版のFEM解析及びモンテカルロ法を用いて確率的に評価する解析手法を開発した。解析結果から、均し制度を緩和した場合の底版曲げモーメントの増加程度を評価した。最後に、均し精度の緩和が底版断面力に及ぼす影響を合理的に実設計に反映させるため、安全係数の導入を提案した。
全文 /PDF/no0945.pdf