研究について

研究成果

係留船舶の長周期動揺の各種数値計算法による再現性に関する比較検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0931 1999年03月
執筆者 笹健児、白石悟、榊原繁樹
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨  長周期波が港湾に侵入した場合、大振幅かつ長周期の船体動揺が誘発され、荷役および係留に支障をきたすことがあり、その対策が必要となっている。対策工の検討に際しては、長周期波が作用した条件での船体動揺量を数値計算によって評価することが多いが、再現精度の検証は実務上も重要である。船体動揺の数値計算はまず、最初に船体に作用する流体力および波浪強制力を周波数解析によって求め、ついで時間領域で船体動揺を時系列シミュレーションによって求める。本研究では過去に観測された長周期船体動揺の事例について、各種手法による再現計算および結果の比較を行った。主要な結論は以下のとおりである。 (1)長周期波の影響が顕著な場合、時系列シミュレーションの際の運動方程式中における流体力係数の設定方法が長周期船体動揺の再現性に大きな影響を及ぼす。特に係留系の固有周期における流体力係数と有義波周期における流体力係数の差が大きなときには、手法間の相違が大きくなる。 (2)長周期波作用下における船体動揺の数値計算にあたっては、周波数解析および時系列シミュレーション中で流体力を正確に表現できる数値計算手法を使用することが必要である。
全文 /PDF/no0931.pdf