研究について

研究成果

一面せん断試験による洪積粘土地盤の強度変形特性の評価

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0918 1998年09月
執筆者 土田孝、福原哲夫、渡部要一、駒澤宏明
所属 土質部 土性研究室
要旨  本研究は一面せん断試験の適用性の検討のため深度50~120mから採取した洪積粘土の不覚乱試料を用い試験結果を三軸試験の結果と比較検討した結果次のような結論を得た。 1)再圧縮法により洪積粘土地盤の非排水せん断強度を求めた結果、ひずみ速度1.25%/分の一面せん断強度は、ひずみ速度0.1%/分である三軸試験結果の強度(三軸圧縮強度と三軸伸張強度の平均)の約95%であった。ひずみ速度効果を考慮すると一面せん断強度は三軸強度の90%未満であった。したがって、一面せん断強度は三軸強度よりも安全側であった。 2)一面せん断試験から求められる見かけの剛性率G50と三軸圧縮試験や三軸伸張試験によって求められる変形係数E50との関係は次式で表される。G50=0.26 E50 ポアソン比を0.5とするとG50=0.33 E50となるが、求められた剛性率がこれより小さいのはG50に対応するひずみがE50によるひずみよりも大きく弾性係数のひずみ依存性によると考えられる。 3)剛性率は一面せん断強度の約100倍であり、この関係は他の海性粘土のデータと一致している。 4)一面せん断試験において三軸試験の結果と同程度の精度の試験結果が得られたことより、洪積粘土に対しても一面せん断試験は実用的な強度評価方法として使用できると考えられる。
全文 /PDF/no0918.pdf