研究について

研究成果

中間弱層の存在により側方移動する地盤中の杭の挙動

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0917 1998年09月
執筆者 菊池喜昭、広瀬栄樹
所属 土質部 基礎工研究室
要旨  側方流動をおこす地盤中にある構造物の被害事例は多く、さまざまな研究が行われてきている。本研究は、比較的しっかりした地盤に挟まれた弱層の存在により上下の層が相対的に側方に移動すりょうな条件の地盤中にある杭の挙動について実験的に検討したものである。このような条件が発生するケースの一つに、中間層での液状化の問題があり、兵庫県南部地震を契機に注目を浴びてきている。この実験では、層厚80cmの模型地盤(上部50cmを硬層、下部30cmを弱層とした)を作成し、土槽底板を静的に引抜くことにより側方流動を模擬した。このとき、弱層の地盤強度と杭間隔をいくつか選び、それらのパラメータが杭の挙動にどのように影響するかを調べた。その結果、以下のような結論を得た。  1)中間弱層の強度の違いは、杭の挙動に大きな影響を与える。  2)中間層が液状化する場合のように、中間弱層の強度が極端に低い場合には、弱層と硬層の片方の境界で杭を回転固定しとして水平に強制変位させるようなモデルで現象を再現することができ、港研方式を適用して計算できる。  3)杭中心間隔が小さいほど、側方流動に対する杭による抵抗力の割合が大きくなる。
全文 /PDF/no0917.pdf