研究について

研究成果

リサイクル材としてのコンクリート塊の諸特性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0906 1998年06月
執筆者 水上純一、菊池喜昭、吉野博之
所属 土質部 主任研究官
要旨  海上工事で用いるマウンド材や裏込め材としての良質の自然石材が減少してきており、かつ自然環境の保全という観点からその採取・利用が困難となってきている。現在のところ、このような傾向は一部地域に限定されているが、将来的には全国的に広がることが予想される。一方では、建設副産物として発生するコンクリート塊は、平成7年度で約3,650万tであるが、その有効利用は約65%に留まっており、残余は処分場に埋立処分されている。本論文ではコンクリート塊のレキ材・地盤材料としての適用性を調べるため、その力学特性とアルカリ成分等の溶出特性について検討している。  コンクリート塊破砕直後の試料を用いた大型三軸試験による強度定数は、見かけの粘着力Cd=0.2kgf/cm2とすると、内部摩擦角φdは30度以下となる。一方、相似粒度で実施した中型三軸試験結果を同様に整理すると、φdは35度を確保できることとなる。以上の結果から、コンクリート塊のような個々の粒子が不均一な材料では、相似粒度の概念を適用することは難しいことがわかった。溶出試験結果によると、コンクリート塊からの溶出水は「海洋投入処分規定」を満足していることが確認された。
全文 /PDF/no0906.pdf