研究について

研究成果

1994年三陸はるか沖地震の港湾地域における強震記録

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0892 1997年12月
執筆者 佐藤幸博、一井康二、宮田正史、森田年一、井合進
所属 構造部 構造振動研究室
要旨 1994年12月28日21時19分20秒、三陸地方の東方沖を震源とする気象庁マグニチュード7.5の地震が発生した。気象庁によって、この地震は「平成6年(1994年)三陸はるか沖地震」と命名された。本地震の震源位置は、北緯40度25.6分、東経143度44.9分、深さ0kmであった。本地震によって、青森県の八戸で深度VIの烈震、盛岡、青森、むつで深度Vの強震が記録されたのをはじめ、北海道および東北の各地に激しい地震動がもたらされ、港湾施設においても八戸港を中心に被害が発生した。  1962年より観測が開始され、1963年から記録が得られている港湾地域強震観測網においては、本地震によって18港27地点で強震計が作動し、18港24地点でデジタルデータとしての加速度記録を得ることができた。デジタル記録が得られた港湾は、釧路港(地表・地中基盤)、十勝港、浦河港、宮古港、釜石港、大船渡港(構造物2地点)、苫小牧港、八戸港、塩釜港、仙台港(地表・地中基盤)、小樽港、室蘭港、青森港、函館港(地表・地中基盤・構造物)、秋田港(地表・地中基盤)、酒田港、川崎港、新潟港であった。釜石港(地中基盤)、川崎港(地中基盤・構造物)については計器が異常値を示していたため、記録をデジタル化せず加速度の最大値のみの読み取りにとどまった。  本資料で報告する記録は、三陸はるか沖地震本震の際に港湾地域強震観測網で観測された21個の地表・地中の強震記録、ならびに1994年12月30日00時29分29秒に発生した余震の記録(2港2地点)及び1995年1月7日07時37分37秒に発生した余震の記録(10港12地点)である。報告する内容は、それぞれの記録について、1)未補正加速度記録、2)計器特性による補正加速度記録、3)SMAC-B2型強震計の計器特性と等価なものに換算した補正加速度記録、4)積分により求めた速度・変位、5)応答スペクトル、6)フーリエスペクトル、7)加速度・速度・変位の軌跡、を示している。また、地中基盤と地表の2層同時観測を行っている地点については、更に加速度の増幅率を示している。また本震の全記録を対象として、加速度・速度・変位の距離減衰関係を併せて示している。
全文 /PDF/no0892.pdf