研究について

研究成果

建設発生土を活用した静的締固め杭工法に関する現地実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0887 1997年12月
執筆者 山﨑浩之、高橋邦夫、善功企、田居繁、中里高密
所属 土質部 動土質研究室
要旨  液状化対策工法として、静的に地盤を締固め、かつ、補給材として固化材を添加した建設発生土を用いる新しい工法の開発を行っている。本試料では、現地実験を行い、締固め効果、施工中の騒音・振動・地盤変位の調査結果について報告している。得られた主要な結論は以下の通りである。  (1)静的な機構により地盤を締固めることができることをN値の増加により確認できた。既存の工法であるサンドコンパクション工法と比較すると、杭芯では本工法の方が大きな改良効果が得られたが杭間では劣っていた。しかし、杭間については、本実験では杭の打設規模が2本×2列と小さかったため効果が小さかったと考えられ、実際の施工のように打設規模を大きくすれば、杭間でもSPC工法と同程度の効果が得られる可能性がある。  (2)締固め効果は、補給材に添加する固化材の量に依存しており、固化材添加率の大きなものほど、締固め効果は大きくなった。  (3)施工中の騒音・振動については、振動レベルは振動の基準値75dB以下となり、既存の動的な締固め工法と比較して大幅に低減できた。騒音については、瞬間的に大きな騒音が発生したが、施工機械の改良により対応可能で、騒音の基準値85dB以下とすることが将来的に可能である。  (4)締固めによる地盤変位は、打設パイル中心から水平に1.8m離れている地点で最大3~4cmの側方変位が計測された。
全文 /PDF/no0887.pdf