研究について

研究成果

港湾環境におけるニューラルネットワークの適用性に関する基礎的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0883 1997年12月
執筆者 三井正雄、橋本典明、中川康之
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨  ニューラルネットワークとは、人間が有する優れた情報処理能力を計算機中に模倣するために、脳における神経細胞の信号伝達系を人工的なモデルとして考案された情報処理手法である。ニューラルネットワークに関する一般的な特徴としては、対象とするデータが曖昧さを含んでいる場合、あるいは原因と結果の因果関係が明瞭に定義できない場合の情報処理に有効であることが知られている。  本報告は、このニューラルネットワークの情報処理能力に着目して、要素間の因果関係を解明することが困難な港湾環境の複雑な諸現象に対し、これを今後有効的に活用することを目的とした基礎的な研究である。そのためまず始めに、ニューラルネットワークの基本的な動作特性として、実行時に必要なパラメータの違いによる出力特性、高精度な出力を得るための学習データの提示方法、時系列データを対象とする際のフィードバック型ネットワークの有効性、およに最適な予測期間の決定方法として、フラクタル次元を利用することの有効性等について議論した。最後にこれらの検討結果を基に、実際に観測された複数の水質データからクロロフィル-a量の予測を行い、ニューラルネットワークの実データに対する適用可能性を検討した。
全文 /PDF/no0883.pdf