研究について

研究成果

ブロック式構造物への海洋生物の着生実験とその着生条件について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0881 1997年12月
執筆者 浅井正、小笹博昭、村上和
所属 海洋環境部 環境評価研究室
要旨  大阪湾内に開港された関西国際空港の緩傾斜護岸に多くの海藻が着生し、その周りに多くの魚が蝟集しているとの報告があった。このように港湾構造物の設置によって海域に生物や魚類が多く生息するようになることは、その海域が生物・魚類にとって望ましい生態系になったことを意味している。とくに、ブロック式の構造物や捨石を用いて緩傾斜式の構造物を設置した場合には、藻場の形成や一種の漁礁としての効果があるといわれている。しかし、その結果や構造物を設置した場合の構造物上の付着生物の生態系の変換についてはあまり知見が得られていない。また、一般的にはコンクリート構造物の基質が平坦であるよりも、構造物の表面に様々な加工を施した場合の方が生物が付着しやすいと言われているが、現地における実証的な知見はあまり得られていない。  このような観点から、各地の港湾において種々のブロック式構造物を試験的に設置して、着生する付着生物の調査を実施し、構造物の設置による生物の遷移について検討を行った。構造物上の生物の付着状況については、自然海岸や既設構造物上の生物相と比較・検討を行い、表面基質に加工を行った場合の変化についても整理した。
全文 /PDF/no0881.pdf