研究について

研究成果

潮位変化を考慮した防波堤堤体の被災遭遇確率

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 036-04-01 1997年12月
執筆者 河合弘泰、高山知司、鈴木康正、平石哲也
所属 水工部 波浪研究室
要旨

 防波堤の堤体は所定の安全率(滑動および転倒に対して1.2以上)を持つように設計されてきた。しかし、所定の安全率は絶対的な安全性を保証するものではなく、現に毎年数函の割合で滑動または転倒している。

 本論文ではまず、直轄が整備した防波堤堤体を対象として、既設函数および被災函数を調べ、現行防波堤の安全性を明らかにした。次に、主要4分潮を用いて潮位の発生確率分布を求め、朔望平均満潮面に近い潮位の発生する確率が小さいことを示した。また、既往の研究のように潮位変化を単純なcos波で近似すると被災遭遇確率や期待遭遇確率を大きく見積もることを明らかにした。そして、現在供用中の防波堤堤体約50函について、その防波堤の設置地点における潮位の発生確率分布を考慮して、供用年数間における被災遭遇確率や期待滑動量を計算した。さらに、安全率1.2に対応する全国平均的な被災遭遇確率を求め、この値を信頼性設計法における許容値と仮定し、信頼性設計法と現行設計法による設計堤体幅を比較した。

全文 /PDF/vol036-no04-01.pdf