研究について

研究成果

再生骨材を使用したコンクリートの材料特性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 036-03-02 1997年09月
執筆者 田中順、福手勤、濱田秀則、堂園昭人
所属 構造部 材料研究室
要旨  本研究においては、はじめに製造方法の違いが再生骨材の品質におよぼす影響を、各種骨材試験によって調査した。こうしてその物性が明らかになった再生骨材を比較検討し、再生骨材を使用したコンクリートの製造を行った。特に再生骨材を使用したコンクリートの物性に影響を及ぼす主要因が粗骨材界面の旧モルタル部分、あるいは再生骨材製造過程で多量に発生し、再生細骨材中に含まれる微粒分量の割合であると考え、普通骨材と再生骨材の混合比率および水セメント比を変化させたコンクリートを製造し、力学的特性、耐久性等の観点から、その材料特性を検討した。また、コンクリート製造時に顔料を添加し、新モルタル部分を着色した供試体を用いて破壊時の断面の目視観察を行った。その他、約1年間、海洋環境をシミュレートした海水循環水槽や高温海水水槽での暴露実験も実施した。  得られた主要な結論は以下の通りである。 (1)再生粗骨材は、旧コンクリートのモルタル付着、混入等により普通骨材と比較してその性能は劣るが、表面のモルタルを除去することにより、その品質は普通粗骨材に近くなった。 (2)再生骨材コンクリートは、再生細骨材中の微粒分等の影響で、またコンクリートに使用されていた粗骨材が良質であったため良好な流動性を示した。 (3)再生骨材コンクリートの強度特性は普通骨材のみを使用したコンクリートに比べ強度は低いが、水セメント比を下げることにより強度を増加させることはできる。
全文 /PDF/vol036-no03-02.pdf