研究について

研究成果

事例分析に基づく親水歩行空間とアクセス路のあり方に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0855 1996年12月
執筆者 奥田薫、小林享、村田利治、池田秀文
所属 計画設計基準部 計画基準研究室
要旨  歩行者、自転車利用者及び車椅子利用者が、港湾背後の市街地などから水際部へアクセスし、水際部で散策などが楽しめるような空間について、国内での事例を港湾管理者からアンケートにより収集した。親水空間が人々に好まれ、永く使われ続ける空間として整備されるべきものであるという認識に立って、事例をもとに水際部の歩行空間や背後から水際部へのアクセス路の整備の現状と問題点を整理した。  主な分析結果は以下のとおりである。 (1)市街地等港湾の背後から水際部へ歩行者等がアクセスするルートは、歩車を分離し独立した歩行者系空間を設けた事例が見受けられるものの、法線としては自動車道路に沿ったものとなっている。歩行者系の動線は自動車道路の法線が前提となって検討されているものと考えられ、計画の初期段階からの歩行者系動線への配慮が望まれる。 (2)親水空間としての利用に不利な護岸形状等の条件を克服して水際線の利用を極力図る断面構造の工夫がみられた。しかし、一方で、地形条件の異なる水際部において、同様な勾配、ブロック構造の階段型の断面構造が採用される傾向も見受けられた。 (3)空間内部に採用されるデザインについては、素材の多用、ディティールの複雑化、安易な自然風の処理といった傾向が見受けられる。
全文 /PDF/no0855.pdf