研究について

研究成果

兵庫県南部地震による港湾施設の被災状況等のVR化

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0854 1996年12月
執筆者 高橋宏直、吉村藤謙、中本隆、井合進
所属 計画設計基準部 システム研究室
要旨  高精度の数値解析結果をコンピュータグラフィックスによる映像、マルチスピーカステレオシステムによる音響等の媒体を用いて仮想空間を形成するとともに、その空間内を自由に移動することにより空間内の状況を容易に理解できるシステムを構築し、操船シミュレータ、津波現象、波浪現象等への適用を進めてきた。  今回、新たに兵庫県南部地震による港湾施設の被災状況および液状化対策工法のVR化を行った。その結果、例えば防波堤の被災状況のVR化では、ケーソンの最終的な変形状態に達するまでの変動状態やケーソンの沈み込みに伴うマウンド石、根固めブロックの変化状況等を視覚的に確認することができた。また、液状化対策工法のVR化では、液状化対策の有無による挙動解析結果を同一の時間経過により比較することで、対策工法の有効性を明確に確認できた。  これにより、地震による被災状況などのVR化は、数値解析者が自ら結果を評価する場合、設計担当者が断面を比較評価する場合はもちろん一般市民に対する解りやすい情報を提供するシステムとして非常に有効であることが明らかになった。
全文 /PDF/no0854.pdf