研究について

研究成果

防波堤ケーソンの自動設置システムの開発(第一報)-引船方式の水理模型実験による検討-

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 035-04-02 1996年12月
執筆者 米山治男、白石悟、名里健吾、高橋英俊
所属 構造部 海洋構造研究室
要旨  本報告では、防波堤ケーソンの据付作業の省力化および工費の縮減、作業員の安全性の確保、施工能率の向上等に寄与することを目的として開発した、防波堤ケーソン等の海洋構造物の自動設置システムについて述べる。  本報告で示すシステムは、以下の手順で目標としたケーソン設置位置にケーソンを据付けるものである。 1ケーソンを据付ける際に、ケーソンの位置および動揺量データ、ワイヤの張力データ、ケーソン設置海域の波高データなどを計測する。 2計測データに基づき、作業船に搭載したエンジニアリングワークステーション(Engineering Work Station,EWS)を用いてケーソンの位置および動揺を予測する。 3各ウインチに対して、EWSからワイヤの巻上げ・繰出しの操作命令を出力してケーソンの位置制御を行う。  以上の手順による本システムを用いることにより、現在、作業船上で作業員が直接手動で行っているウインチ操作作業を自動化することができ、海上工事における作業環境の改善が期待できる。  本システムは、引船を使用した引船方式、引船を使用せずアンカーを用いたアンカーワイヤ方式の2方式でケーソンの据付作業を行うことが可能である。本報告では、これら2方式のうち、引船方式によるシステムについて水理模型実験と実施し、本システムの制御アルゴリズムの有効性を検証した。その結果、本システムを使用すればケーソンを自動的にかつ十分な精度で設置できることが確認できた。
全文 /PDF/vol035-no04-02.pdf