研究について

研究成果

レーザードップラ測定器を用いた杭打ち施工管理機の現地測定性能

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0841 1996年06月
執筆者 石塚浩次、林田善久、永野亮
所属 機械技術部 計測施工研究室
要旨  第五港湾建設局は非接触で杭の打ち込み挙動測定できるレーザードップラ測定器を用いた杭打ち施工管理機の実用機の開発を行った。本報告では、開発の中で行われた陸上および海上の杭打ち工事における現地実験データを基に測定性能、精度について評価検討を行ったものである。更に、杭打ち施工管理を自動化する上で問題となる諸課題について、機器およびデータ処理の対応内容についての評価検討も行った。 (1)陸上の杭打ち工事における人力測定による貫入量の測定精度は、トランシットによる貫入量の測定値を基準にして1mm以下の高精度で安定した結果であった。開発された施工管理機の測定制度は、人力測定に対して1/2以下の制度であった。 (2)海上の杭打ち工事における人力測定の貫入量の測定精度は、陸上の工事に対して1/2以下であった。一方、開発された施工管理機の測定精度は、人力測定精度と同程度であった。 (3)人力測定値に対して、開発された施工管理機の貫入、リバウンド量の算出値は上回る。この要因として、貫入量を算出するための時間設定範囲が大きく、本来の打撃による貫入変位に対して大きく算出される。また、人力測定によるリバウンド量は、記録の追従性や読取り精度の低下により小さく算出される。 (4)開発された施工管理機は、杭の打設開始時より終了に至る全ての施工管理項目を自動的に行える。  今回の現地実験の結果、レーザードップラ測定器を用いた杭打ち施工管理機は、杭打ち工事の施工管理に必要な各種データの測定について十分な性能を有している。また、これまで人力で行われていた施工管理作業を全て自動化できる。
全文 /PDF/no0841.pdf