研究について

研究成果

電気式静的コーン貫入およびダイラトメーター試験を用いた地盤調査方法

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0837 1996年06月
執筆者 田中洋行、田中政典
所属 土質部 土質調査研究室
要旨  最近新しい原位置試験として注目されている電気式静的コーン貫入試験(CPT)とダイラトメーター試験(DMT)を用いて、我が国の地盤に対して地盤調査を行った。調査地点の土質構成は、海成粘性土が堆積している地点が5、緩い砂で埋め立てられた地点が1、自然に砂が堆積している地点が2、また特殊な例としてさんご混じり地盤が1地点である。これらの調査から、CPTおよびDMTによる土の分類方法、および設計に必要な地盤定数の求め方について議論する。得られた主要な結論は以下の通りである。 1)CPT  (1)機種によって、かなり測定値が異なる。特に周面摩擦力は機種の違いによる差が著しい。  (2)CPTはほぼ連続的に測定が行えるので、地盤の詳細な層区分に適している。  (3)非排水せん断強度を求めるために必要なコーン係数Nktは、8から16程度である。  (4)砂地盤の相対密度をCPTによって、ある程度の精度で予測することが可能である。  (5)CPTから微小ひずみ下での疑似弾性係数を求める方法を導いた。 2)DMT  (1)DMTは他の原位置試験と比べて再現性が良く、また劣悪な作業環境に適している。  (2)地盤の分類はほぼ連続に近い形で可能である。  (3)DMTから地盤の設計定数を求める方法が提案されているが、場合によってはかなり精度が落ちるので適用には十分な注意が必要である。
全文 /PDF/no0837.pdf