研究について

研究成果

飛沫の発生と疑似植栽による飛沫抑制効果に関する現地調査

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 034-04-01 1995年12月
執筆者 村上和雄、加藤一正、清水勝義、柳嶋慎一、中村聡志、尾崎靖、福田真人、宮崎啓司、山田邦明、西守男雄
所属 海洋環境部 環境評価研究室
要旨

本論文は、沿岸域における海面からの飛沫(海塩粒子)の発生および疑似植裁による飛沫抑制に関する現地調査の結果を述べたものである。本現地調査は茨城県鹿島灘の波崎海岸において実施された。海面からの飛沫の発生に関する調査は波崎海洋研究施設の観測桟橋上で、また疑似植裁ネットによる飛沫抑制に関する調査は同海岸の砂浜において、ガーゼに付着する塩分量からの飛沫量分布およびプロペラ風速計による風速分布の測定を実施した。現地観測の結果、海面からの飛沫の発生量は風速と波速の相対速度に強い相関を持つこと、および飛沫の陸上部への輸送は海風時のみであることが示された。また、測定ガーゼに付着した飛沫量は、空気中の塩分濃度にその空気のガーゼへの接触量との積によって表された。また、植裁による飛沫抑制の効果は、風速が減少する疑似植裁ネットの背後域で30%の飛沫量の減少が確認された。また、飛沫の地上への落下は小さいことが確かめられた。

全文 /PDF/vol034-no04-01.pdf