研究について

研究成果

新遠心模型実験装置の開発と研究への適用

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0812 1995年09月
執筆者 北詰昌樹
所属 土質部 地盤改良研究室
要旨  港研の旧遠心模型実験装置(Mark I)は、相似則を満足した模型実験によって、現地挙動を精度良く観察・検討する目的で昭和55年に導入された。以来、本装置を用いて港湾建設に際して遭遇する基本的な研究ならびにある特定の現場で遭遇した課題の解決をを目的とした研究を精力的に実施し、それらの成果は港研報告、港湾技研資料ならびに国内外の会議に発表されている。しかし、導入より10年程度経過した頃より、装置のピット床板に経年的なクラックが発生し、そのクラックの発達について有害な振動が運転中に発生するようになった。そのため、平成元年頃よりは最高遠心加速度を50gに制限した条件での運転を余儀なくされ、取り組むべき数多くの研究課題に少なからぬ影響があった。  そこで、抜本的な解決を図るとともに多種多少な研究課題に対応するため、平成元年度より新遠心模型実験装置(Mark II)の建設を開始した。新装置の建設は建設地点のボーリング調査から始まり、地下ピット及び実験棟の建設、装置機械部分の製造と据え付け、ならびに周辺機器の移設・整備を6ヶ年計画で実施し、平成6年度に完成した。  新遠心装置(Mark II)は有効半径、最大遠心加速度及び最大搭載質量は旧装置と同じであるが、過去10数年にわたる経験を基に、安全面、機能面に数多くの改良を加え、また最新の技術も取り入れて製作された。そのため、本装置は国内外でも大型で最もパワフルな装置の一つであると考えている。  本報告は、新遠心装置の導入の経緯ならびに装置の基本的な諸元、周辺機器について説明を加えるとともに、新遠心装置を用いた現在の研究ならびに今後の展望についても簡潔に述べた。
全文 /PDF/b19490d3602fb0c755407850fb73ad4ff5a43b32.pdf