研究について

研究成果

コンクリート部材のひびわれ幅の算定方法とひびわれ対策の効果

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 033-04-02 1994年12月
執筆者 清宮理、山田昌郎、壹岐直之
所属 構造部 構造強度研究室
要旨  鉄筋コンクリート部材に発生したひびわれ幅を算定するうえで付着応力-すべり関係は重要な因子である。この関係式を用いた載荷時のひびわれ幅の算定方法については数多くの研究がなされている。しかし、除荷時、除荷後およびその後の再載荷時のひびわれ幅については、現在のところ算定方法に関する知見が少ない。本報告では、鉄筋コンクリート部材に発生したひびわれの挙動を、鉄筋とコンクリートの相互の拘束効果を考慮に入れて解明し、除荷時と除荷後のひびわれ幅の算定方法を新たに提案する。この算定方法の妥当性を検証するため純引張載荷実験を行った。また、ポストテンションの導入による初期ひびわれ幅の低減効果と、注入工法による補修後のひびわれ幅の挙動とを把握するために、同じく純引張載荷実験を行った。  載荷実験の結果、今回提案した算定方法は、除荷後のひびわれ幅およびポストテンション導入によるひびわれ幅の低減効果を設計上安全側に予測できた。ポストテンションの導入によってひびわれ幅は大幅に低減されること、および注入工法を用いた補修によってひびわれは固定され、その後の載荷の影響を受けないことが判明した。
全文 /PDF/vol033-no04-02.pdf