研究について

研究成果

弾性波地盤探査用電磁誘導型震源の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0786 1994年09月
執筆者 石塚浩次、林田善久、永野亮
所属 機械技術部 計測施工研究室
要旨  波動を利用した地盤探査においては、地層探査の分解能や探査深度の観点から高周波数で高出力の波動を発生する電源が必要とされている。開発した地盤探査用の電磁誘導型電源は、高周波数でモノパルスの波形を発生するものである。  本論文では、地盤探査を目的として開発した電磁誘導型震源の打撃力、振動数について理論および実験による検討を行っている。また、電磁誘導型震源を用いて現地盤で行った地盤探査実験結果をもとに、PS速度検層および浅層反射法のS波探査、P波探査の震源に有効なことを明らかにした。更に、実用的な打撃力を発生させる小型軽量な電源装置を提案している。 (1)電磁誘導型震源の振動板の発生する打撃力は、コイルに供給される蓄積エネルギーに比例し、コイルの全インダクタンスに反比例する。また、打撃振動数は、コイルの全インダクタンスと電源部のコンデンサー容量の積の平方根に反比例する。 (2)従来の小型重錘落下震源に対して打撃エネルギーは小さいが、高周波数な波動が得られる。 (3)電磁誘導型震源はS波、P波が発生し、PS速度検層および浅層反射法のS波探査、P波探査震源に有効である。伝搬波動の周波数は80~90Hzで、ほぼ振動板の振動数に等しい。 (4)地盤上に設置した時の打撃振動数は1.5~2波長程度で、ほぼモノパルス振動の震源である。 (5)実用的な打撃力を発生させる小型軽量な電源装置(全体重量約60kg)が明らかになった。
全文 /PDF/no0786.pdf